おばあちゃん家の椅子 捨てないほうが良いかも…


思うところがあって昨年から家具の再生に注力しています。
椅子の張り替えなど依頼は多いのですが、
『いい家具じゃないし買い換えた方がいいかな?』
という考えがベースにあるのでコストをかけるのはもったいないと思ってしまいがち。

ほこりまみれで生地は触ると破けてしまうような状態。リペアを躊躇するのもわかります。

このお客さまも同じような考えでしたが思いとどまって問い合わせをくださいました。

椅子の背景を聞くと、特に意識はしていなかったけど小さい頃からおばあちゃんのお家にあった椅子で有名なメーカーの家具でもなさそうだけど捨てるのはもったいない…

でもコストをかけるなら新しいものを買った方が今のインテリアにも合わせれるしどうしようか迷っているということでした。

古い塗装を剥がしてやすり掛け
素肌は美しいブラックチェリー材でした

『その椅子が使えるようになったらどんな気持ちになりそうですか?』
まず僕はその質問をしています。
おばあちゃん家の匂い、家族との想い出、イタズラして傷つけてしまった。
昔使っていたものを見ていろいろな事を思い出す事が僕はあります。

僕はなんでも捨てれないタイプなので気に入ったものはずっと使ってしまいます。
余談ですが大学時代に作ったチームTシャツもいまだにパジャマにしているくらい…首もとヨレヨレ😬さすがにみすぼらしいので潮時かもしれません。
ものを大切にする思いが強いのではなく愛着から手を離せないというのが理由です。

クッションと生地は新たに新調
木の表情も空間に合っています

話が逸れましたが、その『愛着』というのを大切にしたいと思うし思い出を更新できるようなお仕事の依頼はオーダー家具制作とは違う感覚で作業していることに自分で気づきました。
今の流行りにあっていないとかインテリアの雰囲気と違うということより、その人の気持ちが上を向くならそれ以上のものはないのではないかと考えています。

リペアできるものとできないものがあるのですが、愛着があるなら一度話を聞かせて下さい。どうしたら甦らせることができるかを一緒に考えますので!