その場所、その人の空気


いろいろな人に会いに行った週末

普段、工房で黙々と木と向き合っているので家族以外としゃべっていないということも結構あります

ラジオを聞き、材料に触れ、仕上がりを見たり木屑の香りを感じたり、感覚を使う「ものづくり」の毎日
一人の時間が嫌いではないですが、お客さまとお話したことを頭に浮かべながら製作しているから楽しく製作が出来ているのだと思っています

図面だけ見て商品を作るというのは僕には合っていなかったので、ナルグリーンの山小屋でお話を聞いてお客さまの要望を叶えていく今のスタイルになりました


場所の空気って何なのか?

「Akari H」さんのポップアップにお邪魔しました

僕がいると違和感のありそうな空間でしたが、想いを込めてデザインされたアクセサリーや洋服もパワーを感じたし、商品が引き立つようなディスプレイも素敵だった

少し緊張感もある空気の中、来られる方々の気持ちがパッと上がるのを感じました

デザイナーさんに会えること、その空間に自分がいること、素敵な作品に触れること
場所の空気は一つ一つの要素から作られていて、常に変化してました

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イベントにお呼ばれ 訪れるたびに背筋が伸びる蘇州園 門をくぐるときの空気が好き
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二ノ宮にオープンした「Coffee&Pub SAKURA」車の整備工場の跡地で床下にはリフトがあるらしい
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姫路の一棟貸しのホテル 町屋を生まれ変わらせた他にない空気

画面の中にはない、リアルな感覚

画面越しに世界中の情報が手に入り、欲しいものも簡単に手元に届きます

「コスパ」「タイパ」という言葉をよく聞きますが、何となくマイナスイメージを感じるのは僕だけですかね…

スピード感や便利さは否定できないし僕も毎日のように使ってるのですが、コスパやタイパを求める対象の境目がどんどん変になっているような気がします

本当に心に響くもの、暮らしを豊かにするものは、目に見えない背景や歴史を感じるからこそ得れるものなのに、カタチだけを簡単に手に入れて満足しているような…


蘇州園の門をくぐり、歴史ある建物から見えるお庭、スタッフさんの作り出す空気

中に入ると面白い違和感を感じたSAKURAさんの空間は昔は自動車工場だったそうで、バーカウンターはリフトの上に乗っている状態ぱっと見はわからないけど、何かを感じる空間
姫路の町屋は足袋屋さんをしていたそうで、当時のここから見える景色はどうだったのか?
今でいう店舗兼住宅という空間でどんな会話があって家族の生活があったのだろうとか

その場所に行って感じたり想像して得た感覚は良くても悪くても大切だと僕は思います

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古材の循環 「山脈」 新しい建物では出せない空気
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10年着れる服 「10YC」 山脈でPop up

見えない空気感でいうと、数年前からオーダー家具製作とは違う古家具の循環に魅力を感じてます

お仕事というよりは興味があるから自分なりに活動しているような感じ
見るからに深みのある佇まいの家具を新たな用途に変えて更新していく活動です

そこでも面白い縁があって「山脈」という場所を作り、建築の循環をさせるお仕事にも参加させてもらってます
循環を考えると面倒な事ばかりで新しく作って方がよっぽど早いのは確実
でも工夫があり問題を解決していく過程は楽しめる要素ではないかと思います
それはきっと、ただ既成の家具を買うのとは全く違う体験になるし、そこで交わされる言葉、空間で感じる空気感が、愛着を深め、「モノ」ではなく「コト」として、受け止めてもらえたら良いなと思って動いています

「山脈」にテレビ番組の密着もあったのでYouTubeで「廃屋リボーン」と検索してみてください
ナルグリーンの工房やお仕事も映っています

心斎橋パルコ pgss アートとインテリア ピリッとした異空間

いろいろな場所に出かけ、人とお話をすることで自分の中で感じる空気
僕はモノが欲しいというより、出会いがあってモノが欲しくなる気がします
だから物持ちも良いし、ずっと同じものを使っていることに喜びを感じてしまいます
それが正解とかではなく自分の感覚がモノを選ぶ基準であれば自然と身の回りのもの心地よさが生まれ、その背景が目には見えない空気になり場所・人をつくるように思いました

そう考えるとナルグリーンの山小屋もそんな場所になってきたと思います
家具を買いに来る場所ではなく、生活を豊かにするために何ができるかを話す場所
何かしら目には見えない空気を感じてもらえるようにしていきます

植物にしか出せない雰囲気は生き物だからだと思う