たくさんの笑顔があるランゴロさん(飲食店)
飲食店の家具や建具を製作させていただきました。
大阪天満で店舗工事があるから家具の相談にのってほしい。
設計も出来る庭師ハナウタさんから声をかけてもらったのが始まりでした。
打ち合わせに行くとコンクリートの壁に開口を開けて大工工事の最中。
小さなお子さんを連れたオーナーSさんご夫婦と初めましてのご挨拶。お会いした瞬間から仲良くなれそうなそんな暖かい空気感だったのでSさんの作り出す料理もお店もきっと素敵だろうと想像していました。
ご主人はフレンチのシェフで奥様はイタリアンのシェフでお勤めだったレストランからコロナのさなか自分のお店を出すというのは見かけの柔らかさとは違って強いものを持っているのだと思います。
事前に聞いていた内容を現場で確認しながらオーナーさんのイメージ・設計さんのイメージ・大工施工の可否などを探りながら僕ができる事やより良くなる提案に頭をフル回転。
実はここがすごく重要で皆が良いものを作ろうとしているか?お互いリスペクトの気持ちがあるか?
それが場所の雰囲気も作るしいいアイデアも出やすい。何よりみんなが楽しい気持ちで進んでいく工事は問題が起こらないというのが僕の経験上の持論です。
余談ですが建築工事を考え中の皆さんもそのポイントは敏感に感じ取って業者の良し悪しを判断してくださいね。逆に施主さんの雰囲気も大切な要素ですのでみんなが笑顔になれるのはお互いのリスペクトが必要だとおもいます。そんな現場はやっぱり楽しいですからね。
驚いたのは大工さんに交じりながらご自身でも内装工事をしていてパテ埋めや塗装もオーナーSさんが作業してること、しかも上手いのは料理で培った手先の器用さと美的センスなんだと思います。それと根気も!
僕の担当はメインの長いオークの無垢カウンターにお皿などを収納する家具や冷蔵ショーケースのカバー、そして外観を大きく左右する建具や窓でした。これは責任重大でプレッシャーでもありますが任せてもらえる事は本当に幸せです。
もう一つの大きな要素としてSさんの大切な友人から譲り受けたお店の家具をリメイクして内装に盛り込む事がありました。
ブリキの部分には使われていた時の文字や絵がありそれをどう活かすかが難しいところでハナウタさんとお話しながらイメージを形にしていきました。そういうエピソードは僕の気持ちを一番奮い立たせてくれるんです。パーツごとに分解しながらブリキも火花を飛び散らしてカット。
いい感じにリメイクできたと思います。余ったブリキの切れ端を見てサプライズも思いつきワクワク。
工事期間にいろいろなやり取りがあるなかナルグリーンオリジナルのハイスツールも追加でご依頼いただきタイトなスケジュールでありましたがオープンに間に合わせるようにみんながそれぞれ作り上げていく空間は日を増すごとに素敵になっていくものですね。
内装もほぼ仕上がり厨房機器も入り最後にナルグリーンの家具たちを納めて僕のお仕事は無事完了。
手直し作業にお伺いした時にいただいた料理の味は優しくて美味しかったです。
店内の雰囲気もタイルだった外観の変貌も素晴らしいお店が出来たと思います。職人さん・設計さん・現場監督さん・そして何よりオーナーご家族の想いがたくさん集まってできた素敵なお店ランゴロ。
ナルグリーンにとっても本当に幸せなお仕事ができたと思います。
思いついたサプライズというのは、余ったブリキに枠を作ってちょっとしたメモが書けるメッセージボードを作りました。ランゴロさんに一つ、設計士さんに一つ。もう一つはもともとその家具を使っていたご友人にプレゼントさせていただきました。
それぞれ想いがあるブリキの家具が違う場所でもつながってもらえるように。
お店がオープンしてから何度も行こうとしましたがいつも満員で残念な気持ちとにぎわっている嬉さの両方。コロナもあり時間が経ってしまいましたが妻と友人を連れて念願の食事に行きましたが、お客さんもSさんご夫妻もみんな笑顔。
お店が出来た当初より、いい空気が流れるお店になっているように感じました。
L’angolo(ランゴロ)
本場ヨーロッパの家庭料理
大阪天満宮駅 徒歩8分
https://restaurant.ikyu.com/119845/