テレビボード (I様邸)
テレビの置き場所はお部屋の形や窓の向きでほとんどが選択肢はない事が多いと思います。
こっちに置きたいと思っても逆から見ると邪魔だったり、窓の位置でテレビとテレビ台がズレてしまうとか…
今回のIさまのお宅はそれ以上に難しい斜めの壁があります。
Iさまと設計士さんがどの壁にテレビ台を置くのか考えているところにご依頼をいただきました。
問題はいずれの壁に取り付けるにしても斜めの壁があるので長方形の箱を取り付けると変に使えないデットスペースが出来てしまう。それを目立たせないように小さめの箱にするのか?でも収納量もある方がいい…いろいろな意見が出てきます。
そしてもう一つガスファンヒーター用のコックが壁にあり抜き差しできないといけないという悩ましい問題がありました。
リビングは吹き抜けになっていて窓からの明かりも入り広がりを感じる設計になっているし、テレビの配置によればせっかくの広がりを邪魔してしまう事になると思ったので一番スマートに納まるにはこれだ!とご提案したのがこちらです。
壁の斜めに合わせて据え付ける変形のテレビ台。
コストは上がってしまう提案ではあるのですが「イマイチ」という要素を毎日見て過ごすことを考えると無駄なコストではないと思うし、お家のいい部分を生かせるという事はより心地いい生活が出来るという事になると思いました。
自分で提案しておいてなんなんですが、角度がある壁に家具をピッタリ据え付けるのは難しくてどちらかというとあまりしたくはないんですが絶対に良いと思ったのでお話したところI様にも設計士さんにも気に入っていただけました。
製作方法を考えて内部の箱の割り付け、電源やアンテナのルートなど細部でいろいろな工夫をしています。
もう一つの問題だったガスホースも出来るだけ見えないルートを確保しています。
そういう細かい事をどれだけクリアできるかがオーダー家具の醍醐味。
僕が提供したいのはそのポイントで、I様家族が心地よく過ごすためにどういう家具を提案できるのかが大切でカッコイイ家具を作ることが目的ではないんです。
もちろんデザイン性も考えているのでナルグリーン的感性がお好みのであれば喜んで頂けると自信は持っています。
問題点は何なのか、クリアしないといけない条件は何か?という事を聞かせてもらえればイレギュラーな製作方法になっても出来る方法を考えられると思います。
実際は何が問題かも見えていなというのが多いので、それをお話しながら見付けていく作業がオーダー家具を楽しんでもらう一つの要素かもしれません。
長い目で見た時に何を大切に考えるのが良いのか?それぞれに合った心地よさを受け取ってもらえる事がナルグリーンでオーダーしてもらう意味だと思っています。